屋根や外壁の塗装はとにかくクレームが起きやすい業界です。その背景には、塗装の費用相場あるようでなかったり、また塗装を受けるお客さんも、生涯に1度か2度の外壁塗装で経験や判断基準がありませんから価格がわからないためです。
本日紹介する外壁塗装のクレーム・トラブルのベスト5の事例を知っておけば、塗装を依頼する前にトラブルを回避することもできますし、すでにトラブル中の方も、ご自分のトラブルを客観的に判断できる材料となります。
それでは外壁塗装の親方を30年やっている私が、外壁塗装でよくあるトラブルのベスト5を紹介いたします。
この記事の目次
よくあるトラブルのベスト5!
①イメージしていた色と違う
②近隣からの塗装工事の”騒音”や”汚れ”などのクレーム
③悪徳業者にだまさた(手抜き工事、高額工事等)
④芝生や庭が塗装で汚された
⑤用具を落として、屋根やタイルを破損させた
トラブルになったら誰に相談すればいいのか?
①イメージしていた色と違う

塗装を終えると、
「なんかイメージと違う!」
「色のツヤがない。。。」
などイメージが異なる場合があると思います。色に関んするトラブルは工事が終わってからでは手遅れです。ではなぜこんなことになったのでしょうか?それは「試し塗り」や「中塗りでの確認」を行っていないことが原因です。
試し塗りとは?
試し塗りとはべニア板等に事前に数種類の塗料を塗って、乾燥させた後にどんな色になるか確認する作業です。日向で見た時と、日陰で見た時にどうなるかを確認しましょう。
中塗りでの確認とは?
塗装は3回行うことを理解しましょう。塗装には「下塗り」「中塗り」「上塗り」があります。
「下塗り」とは?
下塗りとは、3回の塗りの中で、最初に塗るものです。出来上がる色とは関係がなく、下塗の目的は、素地と塗料の間に塗るもので、塗料の密着力を高めるための塗料です。ですから色に関するのは、次の中塗りの工程です。
「中塗り」と「上塗り」とは?
「中塗り」と「上塗り」は同じ塗料を使います。上塗りは”仕上げ塗り”とも言われ最後に塗る塗料です。すでに工事がはじまると塗料の種類を変えることは絶対にできませんが、塗料の色は、「中塗り」と「上塗り」で色を変えることが可能です。
ですから、この「中塗り」の工程で、施主と色がイメージと差がないか確認します。もし「中塗り」色があなたのイメージと異なれば「上塗り」の色を変えることが可能だからです。
実際に起こった色のトラブルの落としどころ
業者にしてみれば「お客さんが指定した色を使った」ということになり、業者は出荷証明書を出して、「事前にお客さんが指定した色です」というところが落としどころになります。
色のトラブルは、業者だけに問題があるのではなく、双方に問題があることが多いです。
色に対するトラブルの結論
事前に「試し塗り」を行い、「中塗り」の時に色を確認すれば、このトラブルは発生しません。またこういったことは、事前に業者に「色の確認をしたい」と強く言わないと行ってくれません。
もし工事前に業者の前にして言うのが気が引けるのなら、一括見積サービスを使って業者を選び、事前に見積もりサービスの人に「色に関しては、試し塗りを行いたい」と言っておけば、業者は最初から試し塗りを行う事を前提にしますので、不安がないでしょう。
②近隣からの塗装工事の”騒音”や”汚れ”などのクレーム
まずこのトラブルが起きる原因の根本は2つです。
一つ目は施主が近所と普段からコミュニケーションがとれていないことが原因です。しかし、変わった?人も多いですから、近所で有名なクレーマーが隣に住んでいる時などはクレームになりやすいです。
そしてもう一つは、工事を請け負った業者が近隣に対する配慮が足りないためにおこります。では具体的なトラブル事例を紹介します。
近所の建物や車に塗料がついた
飛散防止シートがちゃんと設置されておらず、隙間があったり穴が開いていたりすると、そこから塗料が悲惨します。

また、吹き付けスプレーではなく、ローラーだから、飛散防止シートが必要ないと判断する業者が、塗料が飛んでってしまうのです。ローラーで塗りを行う場合も飛散防止シートでガードすることが重要です。
騒音がうるさいと近所からクレームがきた
塗装工事で音がうるさい工程は、足場の設置と解体です。足場を設置するときに、ハンマーで叩いて設置するため、結構音が響くのです。これはクサビ足場という足場のためです。

クサビ足場は、作業性と安全性が高い足場ですが、弱点は足場設置の音がしてしまう事です。おすすめしませんが、どうしても騒音を出せないようならば、設置の音が小さい足場である「単管ブラケット足場」などあります。ハンマーではなく、スパナで絞めるので音が小さいです。
騒音が気になる場合は、事前に業者と相談しましょう。
臭いと近所からクレームがきた
塗料には「水性」と「油性」の2つのタイプがあり、臭いがするのは、「油性」タイプです。シンナーのような臭いがしますから、頭の痛くなる人もいます。
業者にお願いする塗料はほとんどが「油性」です。なぜなら油性は密着力が高く、塗料としての性能が高いからです。
どうしても臭いが気になる方は事前に使う塗料が匂いがキツイかどうか業者に相談しましょう。そして臭いをどうしても出したくない場合は、「水性」塗料もありますから、まずは業者に臭いについて相談しましょう。
ただ、最近は油性の塗料であっても、開発が進み臭いが抑えられているタイプもありますから、とにかく事前に使う塗料の臭いについて確認しましょう。
近所のクレームを防ぐのは事前の挨拶
ほとんどのクレームは近所へ事前に挨拶をしっかり行う事で回避できます。よくあるのが、この挨拶を施主が行わないことです。
塗装工事が決定したら、業者とともに挨拶に伺うのがいいでしょう。そしてその際、工事の日程や工事の内容をあらかじめ伝えておけば、トラブル回避ができます。
ただし、世の中にはクレーマーと呼ばれる人が近所にいる場合もありますから、そういった場合は、要注意で、その存在は事前に業者に伝えて、迷惑のかからない工事をしてもらいましょう。
③悪徳業者にだまさた(手抜き工事、高額工事等)
国民生活センターに寄せられる、悪徳業者に対する相談件数は、2015年度には5714件も寄せられている、2014年度よりは少ないものの、依然として悪徳業者が多いのです。

画像引用記事:国民生活センター
では悪徳業者でトラブルが多いのはどのような事例でしょうか?具体的にまとめてみました。
数ヶ月で塗装が剥げた(浮いた)りサビが!
なぜ、こんな短い期間で塗装が剥げるのでしょうか?それは手抜き工事だからです。塗装というと、恐らく皆さんのイメージは、塗料を塗るだけ?と思ってはいないでしょうか?
実は塗料には4つの工程があります。そしてその最初の工程の下地調整(ケレン)の手を抜いているためです。
下地調整(ケレン)とは?
下地調整とは、高圧洗浄機やワイヤーブラシを使って旧塗膜をキレイに落とす作業で、塗装の工程で一番大切な作業なのです。
ただ、この下地作業は、全工程の中で一番面倒な作業でもあるのです。ですから手を抜く業者はこの工程を”適当”にやって塗装に入ります。この工程をちゃんとやらないと、塗装が素地に密着せずに、浮いてしまうから、本来なら10年は持つ塗料が数ヶ月で塗装が剥げる原因になるのです。
また素地に金属素材を使う場合は、ケレンの後に”錆び止め”を塗りますが、その工程を飛ばすとサビの原因を作ります。
屋根と外壁の工事で高額な請求や追加請求を求められた
一般の人が外壁塗装の相場を知らないことをいい事に、見積金額を大幅に高額に見積もる業者が多いのです。そして誰にも相談せずに契約して、あとで高額請求だったことに気が付きます。
そしてこの高額請求したり追加請求をするのは、ほぼ全部が訪問営業によるものです。この訪問営業の業者は、実は自分たちで工事をすることはなく、営業専門です。契約がとれると、下請けの業者に塗装工事を発注しますので、施主は余計に金額を請求されているのです。
またこの訪問営業の業者は、普段からウロウロと家を見て回り、古い戸建てに引っ越してきた家族にターゲット絞り、何もしらない人の不安を煽って契約にこぎつけるのです。
「この屋根は放っておくと、葺き替えしなくてはいけないですね~」
などあることないこと、不安を煽ります。ですから塗装業者は絶対に訪問業者で契約してはいけません。そもそもちゃんとした塗装業者は良い口コミで、お客さんが地域についていて、主客に困っていないからです。
また追加請求など、ほとんどの工事で発生しません。
これを防ぐ方法は簡単で、一つしかありません。複数の業者から相見積りをとることです。それだけで、適正な金額が出てきます。相見積りは「一括見積サービス」を使えば、3つの予防システムがあります。
①相見積もりをするから一番安いところに頼める
②そもそも一括見積サービスの加盟店に悪徳業者はいない
③過度な営業を受けない
悪徳業者が付け入るスキがないのが一括見積サービスですから、これから塗装をする人は見積だけでもとってみましょう。
④芝生や庭が塗装で汚された
これは養生をキッチリやらないためにおこる問題です。養生とは以下の写真のように塗装しない部分をテープやシート使って保護することです。

塗装しない窓や手すりはキッチリ養生されていますが、案外芝生や庭が養生シートで保護されていない事が多いのです。
また職人がローラーなど、ウロウロと芝生を歩くと塗料がポタポタ落ちます。工事の事前に「芝生や庭に塗料を落とさないで欲しい」と業者にちゃんと伝えましょう。これだけで、業者は芝生にも気を使ってくれるからです。
⑤用具を落として、屋根やタイルを破損させた
これは完全に業者の不注意から起きた問題です。ベテランで注意深い職人なら、こういった問題を起こす事はほとんどありませんが、経験が浅かったり、注意不足な職人が起こすトラブルです。
またしっかりしている業者は、用具を落とすことも想定して、道具を落としやすい危ない箇所にはべニア板を引くこともあります。
とはいえ、防ぎようのないトラブルの種類ですから、もし発生してしまった場合は、業者にちゃんと指摘してもらい、責任をもって修理させましょう。
トラブルになったら誰に相談すればいいのか?
まずは国民生活センターに連絡しましょう。

相談受付時間平日 11時から13時(年末年始、土曜日曜祝日を除く)
電話番号03-3446-0999
連絡の際は、トラブルの内容だけではなく、あなたの名前や住所・電話番号、職業も聞かれる。国民生活センターには、外壁塗装のあらゆるトラブルが全国から相談されているので、「どう対処すべきか?」などアドバイスをくれます。
外壁塗装のトラブルまとめ
本日は外壁塗装でトラブルが多い順に事例を紹介しました。紹介したトラブルの中には、うっかりやってしまったり、近所のクレーマーがいたり、防ぐのが難しい事例もありますが、でもほとんどがちゃんとした業者を選ぶことで、トラブルなく外壁塗装、屋根塗装を行うことができます。
そしてちゃんとした業者に塗装をお願いするには、一括見積サービスを使うのが当たり前なのです。なぜなら一括見積サービスに加盟するにも審査があり、悪徳業者が加入できないですし、もし悪徳業者が紛れ込んでも、ユーザーからクレームが来れば、すぐに加盟を外されます。
また、気にくわなければ、一括見積サービスの会社があなたに代わって、業者に断りの連絡を入れてくれるので、非常に楽ですよ。

外壁の現場を20年仕切っている。外壁塗装は詐欺が多い業界。詐欺を撲滅したい。匿名で業界の事情を暴露します。名前はペンネームです。
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