トタン屋根はみかけることが多い屋根ですよね。いろんな建物の屋根に使われているはずです。最近の施工では使われませんが、高度成長期によく使われた屋根なんですよ。
トタン屋根のメリットはなんと言っても安さと施工性が高いことです。ですから昔はよく使われた屋根なんですよ。しかし外観は安っぽくみえるし、雨がすると雨音もうるさいく、太陽の熱をよく吸収するから家の中は熱くなりやすいです。
そして何より鉄でできてるから錆びやすいのが、最大のデメリットです。ですからトタン屋根はだいたい10年を目安に塗り替える人が多いのです。トタン屋根の塗装の相場は40万円~80万円です。
本日は外壁塗装の親方を30年やっている私が「トタン屋根の塗装」について解説します。
目次
トタン屋根の塗装を業者にお願いした時の価格相場
トタン屋根の塗装の手順・方法
トタン屋根を自分で塗れますか?DIY
トタン屋根の色は何色がいいの?
トタン屋根の塗装を業者にお願いした時の価格相場
まず気になる費用ですが、最初にトタン屋根の塗装の価格相場を紹介します。
後で説明しますが、屋根の塗装っていっても、足場を組んだり、塗料を塗る前に下地をととのえるケレンって作業したり、塗料を「下塗り(錆び止め)」「中塗り」「上塗り」って3回塗る工程があるのです。
トタン屋根の価格・相場感はだいたい下記の表のとおりです。わかりやすいように家の坪数別に、単価でわかるように表にしたから参考にしてください。
30坪、35坪、40坪のトタン屋根の価格相場(シリコン塗料)
内訳 | 100㎡の屋根(30坪) | 130㎡の屋根(35坪) | 150㎡の屋根(40坪) |
---|---|---|---|
足場 | 140万円 | 140万円 | 140万円 |
高圧洗浄 | 2万円 | 2万6千円 | 3万円 |
ケレン(下地調整) | 4万円 | 4万円 | 4万円 |
下塗り塗料 | 7万円 | 9万1千円 | 10万5千円 |
シリコン塗料 | 18万円 | 23万4千円 | 27万円 |
破風・雨樋塗装 | 4万5千円 | 4万5千円 | 4万5千円 |
計 | 49万5千円 | 57万6130円 | 63万150円 |
シリコン塗料は、現在一番スタンダートな塗料のことです。シリコンは特に塗料にこだわりがなく、”そこそこの塗装”を考えているならシリコンはコストパフォーマンスが最高です。塗料としての弱点らしい弱点もありません。
30坪、35坪、40坪のトタン屋根の価格相場(フッ素塗料)
内訳 | 100㎡の屋根(30坪) | 130㎡の屋根(35坪) | 150㎡の屋根(40坪) |
---|---|---|---|
足場 | 14万円 | 14万円 | 14万円 |
高圧洗浄 | 2万円 | 2万6千円 | 3万円 |
ケレン(下地調整) | 4万円 | 4万円 | 4万円 |
下塗り塗料 | 7万円 | 9万1千円 | 10万5千円 |
シリコン塗料 | 35万円 | 45万5千円 | 52万5千円 |
破風・雨樋塗装 | 4万5千円 | 4万5千円 | 4万5千円 |
計 | 66万5100円 | 79万7130円 | 88万150円 |
フッ素塗料は、耐用年数が最高20年って言われている良い塗料です。汚れにも強くて耐用性が抜群です。しかしコストも高いから、予算を気にせず、良い塗料を塗りたい人におすすめです。
トタン屋根の葺き替えの価格相場(30坪、35坪、40坪)
トタン屋根全体がサビついており、劣化が激しい場合は、塗装ではなく、屋根の葺き替え(ふきかえ)をしなくてはいけません。ですから葺き替えの場合は、塗り替えの2倍程度の費用が必要になると考えておきましょう。
またトタン屋根からトタン屋根ではなく、現在はガルバリウム鋼板への葺き替えがいいでしょう。なぜならトタン屋根より耐久性があり、錆びずらい特徴があるからです。
◆トタン屋根からガルバリウム屋根への葺き替えの費用目安
内訳 | 100㎡の屋根(30坪) | 130㎡の屋根(35坪) | 150㎡の屋根(40坪) |
---|---|---|---|
足場 | 14万円 | 14万円 | 14万円 |
古い屋根の撤去費用 | 20万円 | 20万円 | 20万円 |
廃材(屋根)処理費 | 15万円 | 19万5千円 | 22万5千円 |
防水シート費用 | 7万円 | 9万1千円 | 10万5千円 |
ガリバリウム屋根材料・施工費 | 50万円 | 65万円 | 75万円 |
けらば、軒、棟の材料、施工費 | 10万円 | 10万円 | 10万円 |
計 | 116万円 | 143万6千円 | 162万円 |
また、上記以外にカバー工法という施工方法があります。葺き替えよりも安いです。
通常の屋根の葺き替えとは、いったん古い屋根をはがしてから、新しい屋根を設置する工法ですが、カバー工法とは、古い屋根の上から新しい屋根を設置する方法です。施工費用が安くなりますが、屋根が重くなるデメリットもあります。(トタン屋根もガルバリウム鋼板も軽いのでこの点は問題なし)
ただ筆者はカバー工法をおすすめしません。というのも、カバー工法は見た目が非常に綺麗になりますが、中には古い屋根があり、腐食がすすんだり、手がつけられませんし、こうなってからの葺き替えは、手間が大変です。
カバー工法を行う場合は、これらのデメリットも頭に入れておきましょう。
トタン屋根の塗装の手順・方法
①高圧洗浄
業者によっては、高圧洗浄はトタン屋根には不要だって言われていますが間違いではありません。
それはケレン(下地処理)をしっかりやれば必要ないという見解です。でも既存の塗料の塗膜が錆びでひどいときは、まずは高圧洗浄を行います。写真のとおり高圧洗浄機でキレイにします。少しだけ音がうるさいので、施工前はちゃんと近所に挨拶するようにしましょう。

②ケレン(下地処理)
高圧洗浄で不十分なところを丁寧に下地処理をします。この工程が屋根塗装で一番重要です。ワイヤーブラシや、電気工具をつかって錆びを落とします、剥がれそうな塗膜を落として屋根を磨く工程です。この作業のことを”ケレン”っと言います。
錆びていない場所でも、丁寧にワイヤーブラシで磨きます。こういう丁寧な仕事が塗料の性能を最大限に伸ばすために必要なんです。

③錆び止め作業
トタン屋根は錆びやすい屋根です。だから下塗りは錆び止め塗料を塗ります。錆び止めが綺麗に塗れるかどうかは!前工程のケレンにかかっています。
錆び止めは、次の工程の「中塗り」と「上塗り」の塗料によって、使う塗料が決められているます。

③中塗り・上塗り
中塗りと上塗りにシリコン塗料やフッ素塗料、あるいは特殊塗料などを使います。ここで塗る塗料によって、施工価格が変わってきます。またここで塗る塗料によって、錆び止めの種類も変わってきます。
中塗りと上塗りは同じ塗料を使います。よく手抜き工事があるのはこの工程です。本当は2回塗らなきゃいけない工程なのに、一回した塗らないことが悪徳業者によくあります。
またフッ素塗料や特殊塗料は、塗る技術が必要になるので、下手くそな業者が塗ると、塗料の機能が発揮できないことがあります。ですから業者を選ぶときは一括見積サービスとか使って、複数業者の話を聞いて選びましょう。

トタン屋根の塗料は水性がいいの?油性がいいの?
業者が使うのは基本的に油性の塗料です。理由は性能がいいからです。水性は塗りやすいですが、素人がDIYで使うような塗料です。油性は匂いがキツイという弱点がありますが、プロの使う塗料は油性です。
でも、時には「塗料の臭いが苦手で~」って時は水性も検討します。だけど最近の油性塗料は匂いが抑えられたものが開発されていますから安心です。まず匂いがダメという人は業者に事前にリクエストしたほうがいいでしょう。
トタン屋根を自分で塗れますか?DIY

確かに外壁や屋根の塗装は高額ですが、自分で屋根の塗装なんて絶対に考えない方がいいです。大きな理由は以下の3つです。
①雨漏りの原因になる
塗料ってのは実は難しいん作業なんです。状態を良くするために塗ったのが、雨漏りの原因を作ることがあります。雨漏りは少しの事で、水の流れが変わったり、雨どいが詰まったりすることで雨漏りにつながることがあります。
②屋根の上は危険
プロでも年に何人も屋根から落ちて大けがしたり、亡くなった人がいます。しかも塗装は1日~2日もかかります。本当に危険な仕事なんです。「私は運動神経いいから、大丈夫!」などと思わないでください。非常に危険です。
③塗料がすぐ剥げる
例えばよくあるのが、既存の塗料が油性で、下地処理もしないで水性の塗料を塗ると、1年くらいで塗料がはげることになります。下地処理をしてないと塗料が定着しないからです。
それでもDIYでトタン屋根を塗りたい人は
私はDIYをすすめませんが、自分で塗りたい人はせめてちゃんと工程をふまえることと、しっかりした塗大手の塗料メーカーのものを使いましょう。
大手塗料メーカーの日本ペイント(業界ではニッペっといいます)がトタン屋根の塗り方の動画公開してますから、事前に見てみましょう。
トタン屋根の塗り方の動画
波トタン屋根の専門ローラー
トタン屋根には、下記の写真のように波トタンっていう形もあります。そんときは普通のローラーじゃなくて、下記のような専用ローラーを使うといいでしょう。Amazonやモノタロウで販売しています。

トタン屋根の色は何色がいいの?
好きな色があると思うから、近所の景観を損なわない範囲で、家に合う色を業者にお願いしましょう。もし色にこだわりがないのなら、太陽の光の反射率が高い薄い色にするといいでしょう。
トタン屋根は、鉄でできているから熱の吸収率が高い素材なんです。ですから塗料に色によって、太陽光の反射率がずいぶん違います。反射率が高い色は薄い色。シルバーや白がおすすめです。
濃い色はやっぱり太陽光の吸収率が高いので、家の温度も熱くなります。
トタン屋根の塗装のまとめ
トタン屋根の価格から施工手順まで全てを解説しましたが。もし夏に家の中の温度が熱すぎる場合は、遮熱塗料や断熱塗料を試してみるといいでしょう。少しは改善されるはずです。
トタン屋根は金属の屋根だから、熱をため込みやすいのです。そして施工をお願いするときは、一括見積もりサービスを使って、業者を2社か3社に話を聞きましょう。
そして一括見積もりサービスのオペレーターから連絡があったら「遮熱とか断熱塗料を使ってみたいです」と言いましょう。

外壁の現場を20年仕切っている。外壁塗装は詐欺が多い業界。詐欺を撲滅したい。匿名で業界の事情を暴露します。名前はペンネームです。
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