タイル壁の特徴はなんといっても、その高級感のある外観と風雨や季節の温度変化に強い抜群の耐候性にあります。ですからタイル壁はメンテナンスが不要と言われています。
しかし、お住まいの場所によっては酸性雨や紫外線、排気ガスや汚染や経年劣化によって、タイル面の汚れが進む場合がありますから、壁を眺めた時にあきらかに汚れが目立つようになれば、定期的なメンテナンスが必要です。
とはいっても、モルタル外壁やサイディングボートと違って、洗浄によるメンテナンスになるのでコストが非常に安くすみます。
本日は外壁塗装の親方を30年やっている筆者が、タイル壁のメンテナンスや塗装について解説いたします。
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まずは外壁としてのタイル壁のメリットとデメリットからタイル壁の特徴から洗浄方法、費用と順に説明します。
この記事の目次
タイル壁のメリット
高級感
まずはタイル壁と言えば、その高級感です。モルタル外壁やサイディングと比べると重厚な印象があります。またタイル壁は陶器などの焼き物と同じで時間の経過とともに、味わいが出てきます。
耐候性(風雨に強い)

タイルの原材料は土や石を高温で焼いた陶磁器のようなものであり、天然素材を原料として使っており、強い日差しや、雨風に強い環境でも耐性が強いのです。
そして、吸水性が低いため壁に水分が入ることもなく、水分の凍結が外壁の劣化を招きやすい、北海道や東北のような寒冷地でタイル外壁は好んで使われます。
そして、昨今は地球温暖化の影響で大雨が日常的になってきておりますから、タイル外壁で施工することは長期的に家を維持することにつながります。
耐震性
タイル壁は硬く、地震の揺れに強いという性質があります。耐震検査においてもほとんどダメージがないという調査結果があります。また地震による損傷で、一部損傷や剥離が起きても、その補修が簡単というメンテナンス性も高いので安心です。
キズにつよい
タイルですから、引っ掻いても、擦ってもそう簡単にキズがつきません。ですから強風で、家に物がぶつかったり、子供がふざけて壁にキズをいれようとしたところで、キズはつきません。万が一、キズがついたところも補修が簡単なので、安心です。
メンテナンス(塗り替え)不要
とにかく、汚れにも、キズにもつよいタイル壁ですから、そもそもメンテナンスが不要です。かりに汚れたりしても、塗装を行うことはなく、洗浄で済んでしまうからです。
メンテナンス費用が安い
モルタル外壁やサイディングですと、10年に一度の外壁塗装を行う必要がありますが、タイル壁はそもそも塗装が必要ありません。壁に汚れが目立つ場合は、洗浄を行いますので、外壁塗装が100円万程度かかるのに対して、洗浄は20~30万円程度で済みます。
環境にやさしい

日本の人口も今後少なくなっていくことから、現代では建て替えよりも、一度建てた家に長く、ずーと住むことが求められていますから、耐久性が強いタイル壁は、今の日本にあった外壁と言う事ができます。
タイル壁のデメリット
初期の施工費用が高い!
これだけ外壁としてメリットだらけのタイル壁ですから、施工費用が高いです。例えば45坪の家だと、200万から300万円はコストが高くなります。しかし長期的にみるとコストは安くおさえることができます。
モルタル外壁やALC、サイディングなどは外壁塗装が10年に一度は必要になってきますが、タイル壁だと、洗浄で済むのでコストは安くすみます。
そもそもタイル壁は外壁が傷みずらいので、メンテナンスの必要が劇的に少なくなるでしょう。
施工後のエアコンの設置が大変
タイル壁は、その耐久力がアダとなり、エアコン設置のための穴をあけるのが難しいので、エアコン設置業者が嫌がる壁です。穴をあけるには特殊な工具が必要になるので、工事費用が高くなります。
また配管のカバーを外壁に固定するのも、制限がありますから、エアコンの増設が後から必要にならないように、家の施工前に考えておきましょう。
タイル外壁の種類は?
タイル外壁は3種類あります。
①磁器質タイル(吸水性が低い!)
②せっ器質タイル
③陶器質タイル(吸水性が高いから良くない)
ポイントは吸水性になります。外壁に使う素材は吸水性が高いと、ひび割れの原因になります。水分を吸ってしまうと、水が浸入して金属部分が錆びてしまい、膨らみが生じたり、寒冷地では水分の凍結をまぬくことがあるからです。
③の陶器質タイルの吸水性が①と②に比べて吸水率が圧倒的に高いため、外壁に不向きです。外壁に使われるのは、最も吸水率が低い磁器質タイルや、次に吸水率が低いせっ器質タイルです。
タイル壁の工法
タイル外壁の工法は2つあります。工法によって耐久性やメンテナンス性も変わってきます。
湿式工法
モルタルやコンクリートを下地にして、タイルをはっていく工法です。コンクリートにタイルを張り付けていく工法です。この工法だと、耐震性が次に紹介する乾式工法に劣ります。なぜなら、大きな地震があったとき、タイルは頑丈でも、モルタル部分が揺れを吸収して、ひび割れしてしまう可能性があるからです。
乾式工法
タイル専用のサイディングを下地として、塗りつける湿式工法に対し、接着剤による貼り付けあるいは、引っ掛けることでタイルを貼っていく工法です。工数も短く、メンテナンスも簡単な方式ですが、コストが高くなります。
湿式工法よりもタイルの割れや剥がれのリスクが低くなります。
タイル壁のメンテナンスの時期は?
タイル外壁のメリットがメンテナンス不要と言われていますが、外壁の外観を見て次のような現象が発生していたらメンテナンスを行ったほうがよいでしょう。
タイル壁の白華現象
タイルそのものではなく、下地に使用したモルタルやコンクリート面に含まれる炭酸カルシウムが雨に溶けて表面に出てくる現象です。
クラック(ひび割れ)
タイル壁内部に雨が浸入し、下地のモルタルやコンクリートのクラックが、表面のタイル壁にも及んだケースです。放っておくと劣化がますます進みますから、補修工事をおこないましょう。
破損
すぐに補修が必要です。クラックよりも緊急度は高いです。クラック同様に放っておくと、雨水が入り、劣化が進みます。補修工事がすぐにでも必要です。
タイル壁のメンテナンス方法は洗浄
破損やクラックが生じていない限りは、メンテナンス方法はタイルの洗浄になります。それでは洗浄の手順をご紹介いたします。

①準備(洗浄に使う薬品を見定める試験洗い)
タイルの洗浄は薬品を使って、タイルを磨きます。汚れによって使う薬品がことなります。薬品の洗浄力も調整が必要になります。
例えば洗浄力が強い薬品だと汚れといっしょにタイルを痛めてしまいますが、弱ければ汚れが落ちません。ですから外壁の一部をサンプルにして、最適な薬品を見定める工程です。
②薬品による洗浄
まず、薬品が浸透しすぎないように、先に水で外壁をしたします。そして薬品を壁にぬります。薬品が汚れに浸透するには一定の時間がかかりますので、時間を置いて、次の工程に移ります。
③ブラッシング
薬品が汚れに浸透した時間を見計らって、ブラッシングします。ブラッシングも場所によってムラができないように、一定の間隔、一定のリズム、強さで汚れを落としていきます。
④水洗い
高圧洗浄器を低圧で調整し、薬品をおとします。くれぐれも薬品が残らないようにきれいに水洗いをします。
⑤修正洗い
タイルの目地とタイルとタイルの間などは汚れや薬品が残っていることが多いのです。こういったところは目検で確認し、修正洗いを施します。
⑥保護塗装
最後に保護塗装をして、タイルやタイル目地からの雨水の侵入を防ぐようにします。保護材は下記の2つがよく使われます。
・浸透性吸水防止材によって雨水防水
・クリヤー塗装により塗膜を作って、雨水防水
タイル壁の洗浄(メンテナンス)の費用は?
一般的な外壁洗浄は5万円程度ですが、タイル壁の洗浄は薬品の塗布もありますので、20万円~30万円程度が相場になります。施工期間は二日間から三日間を見ておきましょう。
ちなみに洗浄に使う水道代は家主負担になります。
タイル壁のまとめ
タイル壁はユーザーからの評判が大変よい、外壁です。今日はメンテナンスの話が中心でしたが、本当に20年メンテナンスをしていないが、全く問題がないという声をたくさんききます。
初期の施工が高くつくものの、長期的に考えるとコストが安くおすすめです。ただ、それでも大きな車道沿いの家などは排気ガスと酸性雨が混ざり、タイル外壁も汚れがつきやすいので、黒ずんできたら、業者に相談しましょう。
業者も一社で決めるのではなく、一括見積サービスを使って、3社くらいに声をかけて、業者を選定しましょう。
一括見積サービスにホームページから申し込むと、オペレーターから電話がかかってくるので「タイル壁の洗浄をしたいので、実績のある業者を紹介してください!」と言いましょう。

外壁の現場を20年仕切っている。外壁塗装は詐欺が多い業界。詐欺を撲滅したい。匿名で業界の事情を暴露します。名前はペンネームです。
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