「サイディングに興味があるけれど、窯業系とはどのようなものだろう?」なんて、お悩みではないでしょうか?
サイティングはさまざまな種類があるので、どれにするべきか悩みますよね。
実は、窯業系サイディングはメリットが豊富にあり、他の種類よりも日本では人気です。
そこで今回は、窯業系サイディングがどのようなものなのかについてを徹底的に解説します。
窯業系サイディングのことを理解して、納得いくサイディング選びを行いましょう!
この記事の目次
1.窯業系サイディングとは?

窯業系サイディングは、板状外壁材の一種で、窯業によって作られる材質を使います。
窯業とは、粘土やケイ砂、石灰岩などから、ガラスやセメントなどの非金属原料を高熱処理する過程で窯を使う工業のこと。
つまり、窯業系サイディングとは、セメントに繊維質を混ぜて、軽量化と強度強化を実現したサイディングボードです。

デザインが豊富で、レンガやタイルのような壁にすることも可能。サイディングボードには、樹脂系、金属系、木質系などといった種類がありますが、窯業系は日本で1番使われている種類となっています。
少し前までは『モルタル外壁』という塗り壁が種類でしたが、最近では、窯業系サイディングに変えるリフォームが増加しています。
モルタル外壁とは?

1990年頃までの外壁の主流だったのは、『モルタル外壁』というものです。
モルタル外壁は、セメントと砂を混ぜたモルタルを、ラスという網状金属に塗って外壁にします。

モルタルは左官職人が手作業で壁に塗るので、幅広いデザインにすることが可能です。
しかし、時間が経つことで家の形が変われば、ヘアークラックというひび割れが生じやすいとされています。
10年も過ぎると、壁が黒ずんだり、カビや苔が発生することも多いです。
ひび割れがあったり、外壁に触ってみて手に粉が付いたりという症状があれば、メンテナンスを行わなければなりません。
したがって、モルタル外壁から、メンテナンスが容易でデザインも思い通りにしやすい窯業系サイディングに変える人も多いです。

(引用:統計データ – 日本窯業外装材協会)
このように、新築なら窯業系サイディングが、78.6%ものシェアを占めています。
「今の外壁はモルタル外壁みたいだけど、サイディングが気になる。。」という人のために、サイディングの中でも日本で主流な窯業系サイディングについてを確認していきましょう。
2.窯業系サイディングのメリット

窯業系サイディングのメリットは、以下の4つのようなものがあります。
メリット1.デザインが豊富にある
メリット2.耐震性や防耐火性がある
メリット3.防耐火性がある
メリット4.通気工法ができる
それぞれのメリットについて、順番に確認していきましょう。
メリット1.デザインが豊富にある
窯業系サイディングは、デザインが豊富です。
一色で物足りない壁にレンガのような風味を加えられることや、石積み調、タイル調などにできることが特徴となっています。
一見しただけでは本物としか思えないような外見にすることも可能です。
同じくデザインを自由に決めやすいモルタル外壁よりも、安価に見た目を好みのものにすることができます。
なぜなら、窯業系サイディングは工場で大量生産できるのに対し、モルタル外壁は職人が手作業で塗るためです。
「安価に思い通りの見た目にしたい!」という人には、窯業系サイディングがぴったりでしょう。
メリット2.耐震性がある
窯業系サイディングには、耐震性があります。
窯業系サイディングの重さはモルタル壁の半分以下なので、地震が起きても建物への負担が少ないです。
金具止め工法というステンレス金具を下地に固定し、外壁材を貼っていく方法で施工すれば、さらに耐震性は高まります。
これは、金具で留められているサイディングが、縦横に自由に伸縮し、地震の揺れから生じる負担を減らせるためです。
「地震があったときの心配を減らしたい」という人は、窯業系サイディングにすれば不安を解消できます。
メリット3.防耐火性がある
窯業系サイディングは、防火外壁材とも呼ばれているほど、防耐火性をもっています。
建築基準法に基づいた防火性能試験を受け、不燃材料や準不燃材料として認められているのです。
各メーカーの窯業系サイディングは、火熱をさえぎる時間が45〜60分程度のものとなっています。
したがって、隣の家が火事になった場合でも影響を受けにくいので、被害を少なくすることが可能です。
メリット4.通気工法ができる
窯業系サイディングは、通気工法ができます。
通気工法を行えば、以下のようなことが可能です。
- 壁の中を乾燥させることで、結露を防ぎ住宅が長持ちする
- 外壁の隙間から入り込む雨水を、壁の中に侵入させず屋外に排出する
- 通気層による遮熱で、外の気温の影響を受けにくく省エネになる
- 室内で発生して壁の中に入った湿気を壁の外に出す
「住宅を長持ちさせたい」「省エネにしたい」という思いがあるなら、窯業系サイディングが良いでしょう。
以上が、窯業系サイディングのメリットでした。
「メリットを知って、窯業系サイディングにしたくなった」という人も多いと思います。
しかし、費用がどれくらいかかるのかを知ってから決めたいですよね。
そこで、窯業系サイディングの費用の相場を見ていきましょう。
3.窯業系サイディングの費用の相場

モルタル外壁から窯業系サイディングに変更する際の費用の相場は、約30坪なら100万円〜200万円です。
モルタル外壁を塗り直す際に同じ程度かかるのであれば、窯業系サイディングへのリフォームを検討するべきでしょう。
また、業者を選ぶ際には、なぜ安くできるのかという理由をしっかり考えるようにしてください。
そのためにも、窯業系サイディングの施工費用の内訳を見ておきましょう。
サイディングの費用の内訳は?
費用の内訳は、以下のようになっています。
- 塗料などの材料費 → 20%
- 足場の費用 → 20%
- 職人の人件費 → 30%
- 雑費・会社運営費 → 30%
「単に安ければ良い」という考えで業者を選ぶと、材料や足場、職人の仕事にかかる費用が削減されてしまい、満足いく外壁塗装ができないかもしれません。
たとえば、窯業系サイディングなら、材料費だけで約48万円〜70万円だとされています。
それを下回る値段で窯業系サイディングを行える業者がいた場合、何か問題がある可能性が高いです。
「同じ30坪なのに、100万円〜200万円と費用に差があるのはなんでだろう?」なんて、疑問に思った人もいるのではないでしょうか。
ここで、窯業系サイディングで費用に差が出る理由を確認しておきます。
窯業系サイディングの費用の差とは?
窯業系サイディングは、業者や作業工程によって、費用に差が出てきます。
たとえば、モルタル外壁の上にサイディングを貼り付ける場合と、モルタル外壁を撤去してからサイディングを貼り付ける場合では費用が異なるのです。
後者のほうが軽量化できて建物への負担も少ないので、多少高くなっても住宅を大切にできることを考えればオススメ。
結果的に、建物のメンテナンスの頻度を下げられ、トータルの費用もおさえられます。
他にも費用をおさえるポイントが2つあるので、見ておきましょう。
費用をおさえるためのポイント
サイディングの費用をおさえるためには、2つのポイントがあります。
- サイディングとシーリングの耐用年数を合わせる
- 屋根とベランダをまとめて工事する
それぞれについて、順番に確認していきましょう。
ポイント1.サイディングとシーリングの耐用年数を合わせる
工事の際には、サイディングだけではなく、『シーリング』の耐用年数にも注意しなければなりません。
費用が安いとしても、『サイディング』と『シーリング』の耐用年数が合っていないものを使う業者なら、結局またシーリングのやり直しが必要となり無駄なコストが発生するので注意が必要です。
シーリングとは、サイディングの繋ぎ目部分のことで、サイディングの強度や耐震性を高めたり、外壁の中に雨水が入らなくしたりという役割があります。
たとえサイディングの耐用年数が10年間だとしても、シーリングの耐用年数が3年間のものを選んでコストダウンさせてしまうと、近い内にシーリングのメンテナンスが必要です。
そうなると、予想していなかった費用がかかってしまうかもしれないので気をつけてください。
ポイント2.屋根とベランダをまとめて工事する
費用を最低限にしたいなら、屋根とベランダをまとめて行って足場の費用をおさえるべきです。
このような作業工程の工夫によるコストダウンを選ぶのは、材料や安全性も変わらないので良いでしょう。
最終的にすべての外壁をサイディングにしたいなら、できるだけまとめて行ってください。
また、「窯業系サイディングにする前に、他のサイディングについても知ってから決めたい」と、いう人も多いはずです。
ここで、窯業系サイディングと他の種類のサイディングの違いを見ておきましょう。
4.窯業系サイディングと他のサイディングの違い

窯業系サイディングと他の種類のサイディングを比較すると以下のようになります。
種類 | デザイン性 | 耐久性 | 耐震性 | 耐凍結性 | 耐火性 | 耐用年数 | 費用(30坪の目安) |
窯業系サイディング | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | 7~10年 | 100〜200万円 |
金属系サイディング | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | 10~15年 | 120〜260万円 |
木質系サイディング | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | 7~10年 | 200〜400万円 |
樹脂系サイディング | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★☆ | 30年程度 | 150〜300万円 |
このように、さまざまなポイントで窯業系サイディングは他よりも安定して使いやすい種類です。
豊富なデザインから選べるだけではなく、実用性も高くなっています。
「モルタル外壁からサイディングに変えたい」という場合、特に希望がなければ窯業系が良いでしょう。
取り扱っている業者も多く、たくさんの選択肢から優良な業者を探すことができます。
ただし、窯業系サイディングには注意する点もあるので、選ぶ前に確認しておきましょう。
5.窯業系サイディングの注意点

窯業系サイディングを選ぶ際には、注意点があります。
注意点1.メンテナンスの頻度が高くなりやすい
注意点2.塗膜が剥がれると水を吸収する
それぞれの注意点について、順番に確認していきましょう。
注意点1.メンテナンスの頻度が高くなりやすい
窯業系サイディングは、メンテナンスが他の種類のサイディングよりも高い頻度になりやすいです。
だいたい、7年~8年で塗り替えることが多くなっています。
ただし、最近では耐用年数が長い窯業系サイディングも出てきているので、メンテナンスを最低限にしたい人も安心してください。
注意点2.塗膜が剥がれると水を吸収する
窯業系サイディングは、メンテナンスを行わなければ、塗装によって作られた塗膜が剥がれてきます。
塗膜が剥がれると、サイディングが水を吸ってしまいボロボロになってしまうので注意が必要です。
「塗膜が剥がれるというのは、どういう状況だろう。。」と、思った人も多いと思います。
サイディングの塗り替えのサインは、『チョーキング』です。
サイディングのチョーキングとは?
チョーキングとは、手で壁をこすると手が白くなる現象のことを言います。
チョーキングが起こるのは、塗膜が劣化している状態です。

こうなったら、できるだけ早くメンテナンスを行わなければなりません。
サイディングが劣化すると、ボロボロになった外壁から水が入ってしまいます。

さらにサイディングとサイディングのつなぎ目のシーリングも下記写真のようになります。

シーリングとは、サイディングとサイディングの板の間を張り付いているもので、建物の歪みや振動、熱で伸縮します。
窯業系サイディングに変えたら、シーリングが劣化した場合には打ち替えが必要です。
以上が、窯業系サイディングの注意点です。
「注意点も大丈夫そうだし、施工の流れが気になる」という人もいるはずです。
最後に、窯業系サイディングの施工期間と流れを見ていきましょう。
6.窯業系サイディングの施工期間と流れ

窯業系サイディングの施工期間は、『張り替え工法』で2週間から3週間程度、『カバー工法』で1週間から2週間程度です。
張り替え工法は、外壁の仕上げ材を剥がして、下地の補修を行ってからサイディングを貼り付ける方法となります。
既存の外壁を取り除き下地を補修する分、カバー工法よりも1週間程度長いです。
カバー工法は、外壁の上にサイディングを貼りつけるので、張り替え工法よりも短い期間で終わりやすいとされています。
ただし、サイディングを行う際、濡れると仕上がりが悪くなるため、塗料関係の工程は雨の日は行われません。
したがって、雨の日が続けば作業日数も長くなることは考えておきましょう。
ちなみに、各工程の作業写真を撮影して見せてくれる業者なら安心して作業を任せられます。
なぜなら、「実は3回塗らなければならないのに、1回しか塗っていない」というような問題が起こりにくいためです。
安心した業者選びのために、複数の業者を比較するのが良いでしょう。
7.見積もりは複数サイトでとっておこう!

業者を選ぶときは、必ず複数の業者を比較するべきです。
業者によって値段や条件が変わりますし、何より満足できる選択ができます。
一括見積サービスなら、地域の複数の業者を紹介してくれる上に、断ることもしてくれるので便利です。
あなたは自分の条件に照らし合わせて選ぶだけとなります。
業者を選ぶなら一括見積サービスを利用しましょう。
外壁塗装は、悪質な業者もいるのが現状です。
したがって、業者は焦らずに慎重に選ぶようにしてください。
悪徳業者の特徴は?
悪徳業者の特徴は、「30年保つ塗料がある」ことを売りに営業してくることが挙げられます。
30年保つ塗料は、技術的には開発可能ですが、現在はまだ開発自体なされていません。
また、訪問販売をしてくる業者がすべて悪徳業者ではありませんが、営業代行の可能性が高いです。
そうなると、中間手数料などで費用が高くなってしまいます。
以上のように、悪徳業者に工事を頼むと、仕上がりが雑になったり、料金が高額になったりという結果になりかねません。
「独自開発した良い塗料を使っている」ということを売りにしているのに、既存の塗料のラベルを張り替えているだけの業者もいます。
サイディングを行うなら、一括見積サービスで安心して依頼できる業者を探しましょう。
まとめ
窯業系サイディングとは、外壁材の中でも非常に人気な種類となっています。
なぜなら、色や柄が自由に決めやすく、取り扱い業者も多いためです。
思い通りの外壁デザインにしたいなら、窯業系サイディングを選びましょう。

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