ラジカル塗料とシリコン塗料はどっちがいいの?

ラジカル塗料は、この数年で世の中に出てきた塗料です。シリコン塗料よりも性能が良いと言われていますが、実績がない塗料ですから、正直敬遠する塗装会社も多いです。

しかし、それは昔の話で2017年の現在は、使う業者が増えており、一般的になってきており、ラジカル塗料を希望する方が増えているので、ラジカル塗料を使用する業者が増えてきております。

大手塗料メーカーの「日本ペイント」や「エスケー化研」から発売されていますし、屋根用のラジカル塗料も発売されました。最近の施工では、ラジカル塗料が業界に広く浸透してきた印象です。

ラジカル塗料の特徴は水性塗料にも関わらず、シリコン塗料の溶剤(2液型の油性)よりも耐用年数に優れ、コストパフォーマンスに優れる点です。

水性塗料は「剝がれやすい」「汚れに弱い」という前提がありますが、ラジカル塗料は水性にも関わらず、耐用年数と耐汚性に優れ、しかも臭いが少なく、施工性の高い塗料です。

業界にとっては、新しい業界標準になる塗料であり、弱点は実績が少ないことだけでしたが、施工実績も増えており、シリコン塗料の次の主流塗料になるでしょう。本日は、ラジカル塗料について外壁塗装で30年親方をやっている私が解説します。

ラジカル塗料とシリコン塗料の比較

まずはラジカル塗料とシリコン塗料の比較をおこないましょう。

下記の表を見ると、どちらも弱点が少ない万能な塗料ですが、耐用年数と塗りやすさではラジカル塗料がシリコン塗料上回り、実績ではシリコン塗料が上回っています。

◆ラジカル塗料とシリコン塗料の比較表

  ラジカル塗料 シリコン塗料
単価(㎡) 2900円~3500円 3000円~3500円
耐用年数 10年~13年 10年~12年
耐候性
防汚性
防藻・カビ
ツヤあり
ツヤ消し ×(水性は〇)
臭い 〇少ない ×(水性は〇)
塗りやすさ
実績

ラジカル塗料で一番実績のある塗料は、日本ペイントの「パーフェクトトップ」で、水性塗料です。水性塗料にも関わらず、溶剤(2液型)のシリコン塗料を上回る機能があります。

ラジカル塗料は水性で、施工性が高いため、塗りやすく現場の職人の評判も良く、実績の少ないラジカル塗料ですが、徐々に使われはじめているのです。水性塗料は臭いがしないため、集合住宅に向いている塗料とも言えます。

また、ラジカル塗料には屋根用塗料がなかったのですが、日本ペイントより屋根用ラジカル塗料の「ニッペファインパーフェクトベスト」が発売されたことにより、これからも続々とラジカル塗料が各メーカーから発売されていくでしょう。

しかし、筆者のおススメのラジカル塗料はアステック社の「リファイン」です。理由は3つあります。

◆ラジカル塗料でアステック社の「リファイン」が優れている3つの理由

①ベースの樹脂が、パーフェクトトップはアクリル樹脂ですが、リファインはシリコン樹脂で格上
②リファインには遮熱機能がついている
③機能がリファインの方が上にもかかわらず、値段はほぼ同じ

ただし、アステック社の塗料は日本ペイントに比べると、マイナー塗料なため、扱っていない塗料店が多いのが残念です。ラジカル塗料「リファイン」を扱う業者は、今のところ一括見積サービスで探すしかありません。

一括見積サービスでは専門の相談員に詳しく要望を伝えることも出来るので、「アステック社のリファインというラジカル塗料を使える業者を探してます」と言えば、リファインで施工可能な業者を一括見積サービスの会社が探してくれます。

ラジカル塗料とシリコン塗料どっちがいいの?

ラジカル塗料とシリコン塗料はコストがほぼ同程度で、お互い弱点があまりない塗料です。

しかし、水性でありながら溶剤(油性)のシリコンより耐久性や全体的な機能はラジカル塗料が上回り、しかも水性のメリットである塗りやすさや、臭いが少ない点を考慮するとラジカル塗料の方が優れています。

そして耐久性もラジカル塗料の方が若干高く、コストパフォーマンスもラジカル塗料の方が優れています。

実績がすくないのがラジカル塗料の弱点でしたが、実績がないと思われていたのは2015年くらいまでです。2017年の現在はラジカル塗料が業界の標準になりつつあります。

※シリコン塗料についてはこちらの記事をご覧ください。

とはいえ、外壁塗装は高額な工事ですから、どうしても不安を抱くのでしたら、無理してラジカル塗料を使う必要はありません。実績が不安に思う方のために、塗料の歴史をふまえて、「最新塗料を使うこととは、どういうことなのか?」を解説いたします。

ラジカル塗料の実績が少ないのが心配な方に

実績で言うと確かにシリコン塗料に比べれば、施工実績は少ないです。しかし、現在の標準塗料であるシリコン塗料も、昔は新しい塗料で実績不足でした。そして現在、シリコン塗料が標準の時代になりました。しかし課題も生まれたのです。それは

「紫外線と水と酸素が接触するとラジカル因子が発生して、樹脂が壊れやすい」

という課題が塗装メーカーの間で出現したのです。その課題を解決したのが、ラジカル抑制塗料の通称「ラジカル塗料」です。

※ラジカル塗料とは、悪者のラジカルを抑制する塗料という意味です。

こういった背景でラジカル塗料が生まれたので、前世代の塗料の課題を解決した塗料なのです。ですから自信をもってラジカル塗料を使って良いと筆者は考えます。

そしてラジカル塗料の耐久性が13年~という中で、また必ず「次の世代の塗料」が生まれてきます。同じ歴史の繰り返しで、今後また塗料メーカーには新たな課題が出現し、それを克服するための塗料が開発されることの繰り返しなのです。

ならば、塗料の選び方としては「その時代、その時代で最高の標準塗料」を使うのが正しい選択と言えます。そして、ラジカル塗料の耐久性が切れるころに、また次の世代の塗料が開発されていますから、その時は、最新の標準塗料を検討しましょう。

ラジカル塗料とフッ素塗料はどちらがいいの?

ラジカルを宣伝したい会社のホームページを見ると、ラジカル塗料の耐久性はフッ素塗料に匹敵する!とか大げさなことを宣伝する業者もいますが、やはり耐久性はフッ素塗料の方が高いです。

◆耐久性の比較

①シリコン塗料 < ②ラジカル塗料 < ③フッ素塗料 <--フッ素が一番!

このような順番になります。

ラジカル塗料の耐久性は15年以上とメーカーのホームページでいわれていますが、だいたい12年~15年くらいと考えておきましょう。そうなるとフッ素塗料は15年以上の耐久性がある塗料と言われてますから耐久性はフッ素塗料に軍配があがります。

ただし、フッ素塗料が塗れない下地も多く、フッ素塗料が塗りずらい場合や予算的にもう少し押さえたい場合にはラジカル塗料を検討してみるのがいいでしょう。

またフッ素塗料の弱点は、その固すぎる塗膜です。地震が起きた場合など、ひび割れのリスクが高くなります。

フッ素塗料についてはこちらの記事をご覧ください。

ラジカル塗料の特徴

通常、塗料というのは紫外線や水や酸素と接触すると、ラジカル(劣化因子)が発生して、ラジカルが樹脂の結合を破壊するのです。酸化チタンという物質が、ラジカルを発生させているのですが、ラジカル塗料はその悪者のラジカルの発生を制御した塗料なのです。

ですから名前も正式には「ラジカル制御型塗料」と言います。

◆ラジカルをおさえる二つの成分「①高耐候酸化チタン」と「②光安定剤」

ラジカル塗料には樹脂を劣化させる悪者の”ラジカル”の発生を抑える2つの成分が入っています。それが「①高耐候酸化チタン」と「②光安定剤」です。

①高耐候酸化チタン

塗料樹脂の顔料の成分に”酸化チタン”が含まれており、紫外線、酸素、水などに触れると悪者のラジカルを発生させます。高耐候酸化チタンはラジカルの発生を抑えるので、樹脂が分解するのを防ぐ効果があります。

②光安定剤

光安定剤は、発生してしまった悪者のラジカルを捕まえて、ラジカルの動きを抑える効果があります。

 

この①と②の二つの成分がラジカルの発生を抑えます。ですから樹脂が分解しない仕組みになっており、耐久性も高い塗料なのです。

 

ラジカル塗料の価格は?

  価格相場(30㎡) 耐用年数 費用(1年あたり)
フッ素塗料 110万円 15年 7.3万円
ラジカル塗料 80万円 13年 6.1万円
シリコン塗料 80万円 12年 6.6万円

ラジカル塗料とシリコン塗料はだいたい同程度の価格感ですが耐久性がシリコン塗料より高いので、1年あたりのコストは「ラジカル塗料」が一番安くなります。つまり、かなりお得な塗料なのです。

下記の日本ペイントのラジカル塗料の「パーフェクトトップ」のデータをご覧ください。

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※画像引用:日本ペイント資料

2500時間の光沢性保持率の実験データですが、「オレンジのシリコン塗料」を「赤のラジカル塗料が上回っているデータです。このデーターからもラジカル塗料がシリコン塗料を上回っていることがわかります。

ラジカル塗料のメリット

✔シリコン塗料より高いコストパフォーマンス
✔シリコン塗料より耐久性が高い
✔シリコン塗料より耐候性が高い
✔チョーキングしずらい
✔ツヤ無しの塗料がある
✔汚れに強い
✔防藻、防カビ性が高い
✔施工性が高い(塗りやすい)
✔どんな下地にも塗れる
✔臭いが少ない塗料

ラジカル塗料はシリコン塗料を上回る高機能

ラジカル塗料のメリットは、値段がシリコンと同程度ですが機能はシリコンを上回る点です。そして耐久性はフッ素塗料の次に高いと言われており、業界では、次の主流の塗料になると確実視されています。

塗りやすい塗料

ラジカル塗料は1液型の水性塗料です。1液型のため、主剤と硬化剤を混ぜて使う2液型に比べて塗料を混ぜませんから、施工性が高く、非常に塗りやすい塗料です。

塗料が普及するかどうかは塗りやすさ、つまり施工性の高さが重要になります。

臭いがしない塗料

塗料は通常油性を使います。なぜなら油性の方が密着性が高く塗料としての機能が高いためです。ただし油性は臭いがキツい弱点があります。

その点、ラジカル塗料は水性塗料ですから臭いが少ないのが特徴です。施工前に「近所に臭いで迷惑をかけたくない」と考えている方は、臭いが少なくて性能の高いラジカル塗料はおススメです。

もちろんシリコン塗料にも水性があります。しかし水性のシリコン塗料は、油性のシリコン塗料より、性能が落ちます。そういった観点からもラジカル塗料はおすすめです。

ツヤがある

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仕上がりもラジカル塗料は”ツヤ”があります。高分子ポリマーが塗膜面の隙間を埋めるので、塗膜が綺麗にツヤがでます。またツヤが長持ちするため、チョーキングが起きづらい効果もあります。

またツヤは「ツヤ消し」「3分ツヤ」「5分ツヤ」「ツヤあり」の4種類から選ぶことができます。特に人気の「ツヤ消し」は水性塗料にしかないので、高耐久性と高耐候性を兼ねた水性のラジカル塗料は高級感のある「ツヤ消し」塗料に最適です。

下地を選ばないで、いろんな面に塗れる塗料

下塗り

ラジカル塗料は下地を選びません。例えば

・モルタル・コンクリート
・サイディング
・アルミ・鉄
・ALCパネル

など、いろんな下地に塗れるのは、ほかの塗料に比べて高いメリットです。フッ素や無機塗料は、高耐久の高級塗料ですが、塗れない材料も多いのが欠点です。

下地を選ばないで塗れるのはラジカル塗料の大きなメリットです。

 

ラジカル塗料のデメリットとは?

✔実績が少ない
✔使用したことがある業者がシリコンに比べて少ない

一番のデメリットは、使ったことのある業者が少ないことでした。

いくら塗りやすい塗料でも、ラジカル塗料の施工実績がない業者に施工をお願いするのはリスクが高いです。ですからラジカル塗料を使うのでしたら、施工実績のある業者を選ばないといけません。そいうときは一括見積サービスを利用して、ラジカル塗料の実績のある業者を紹介してもらうのがいいでしょう。

>>一括見積サービス

上記のリンクからサービスを申し込んだ際に、担当の相談員に「ラジカル塗料の施工実績がある業者を紹介してください!」って言えば大丈夫です。2017年の現在はほとんどの業者にラジカル塗料が浸透しはじめているとはいえ、自力で探すのは実績をごまかす業者もいるので注意です。

ラジカル塗料が向いている方とは?

ラジカル塗料に向いているのは以下の方です。

✔新しい塗料(実績が少ない)でも、大手メーカーであれば抵抗なく使える方
✔臭いの少ない水性塗料を使いたい方
✔ツヤ消し塗装をしたい方(ツヤ消しは水性のみ)
✔フッ素塗料かシリコン塗料で悩んでいる方

こういった特徴から「臭いに気を付ける必要があり、それなりの耐久性が必要になる集合住宅にはかなり向いている塗料」と言えます。

「工事の臭いが気になる方」や「ツヤ消し」希望の方は、水性塗料を使うことになりますが、水性塗料は油性に比べて、耐久性や耐候性が落ちるという弱点があります。しかし、ラジカル塗料を使えば水性塗料でありながら、油性のシリコン塗料以上の機能を発揮します。

ラジカル塗料の種類

塗料メーカー大手3社からラジカル塗料の販売がはじまっています。

・日本ペイントのパーフェクトトップ(2012年10月に発売)
・関西ペイントのアレスダイナミックトップ(2016年2月に発売)
・SK化研のプレミアムシリコン(2014年11月に発売)

それぞれ専用の下塗り剤も下記表のように各メーカーから販売されています。

◆モルタル・コンクリート面の各塗料メーカーのラジカル塗料

  日本ペイント 関西ペイント エスケー化研
下塗り パーフェクトフィラー アレスダイナミックフィラー エスケー弾性SDプレミアムフィラー
中塗り パーフェクトトップ アレスダイナミック TOP エスケー(弾性)プレミアムシリコン
上塗り パーフェクトトップ アレスダイナミック TOP エスケー(弾性)プレミアムシリコン

◆窯業系サイディングボート、ALCパネル面の各塗料メーカーのラジカル塗料

  日本ペイント 関西ペイント エスケー化研
下塗り パーフェクトサーフ アレスダイナミックフィラー 水性SDサーフエポプレミアム
中塗り パーフェクトトップ アレスダイナミック TOP エスケー(弾性)プレミアムシリコン
上塗り パーフェクトトップ アレスダイナミック TOP エスケー(弾性)プレミアムシリコン

日本ペイントの「パーフェクトトップ」は、最初にラジカル塗料を発売したメーカなので、他のメーカーより実績があります。さらにパーフェクトトップでは、強力防カビ剤を混入させたオプションが可能です。その場合、缶に「強力防カビ」とラベルが表記されています。(この強力防カビ剤にすると一缶あたり1000円程度値上がりします。)

また関西ペイントのラジカル塗料「アレスダイナミック」は下塗り材を「アレスダイナミックフィラー」と組み合わせることで、雨で湿った下地でも塗ることができます。ただし雨が上がった後などに限定され、雨の中の塗装は無理です。乾燥した時の施工に限られる外壁塗装では他のメーカーに比べて、大きなメリットがあります。

スレート屋根用のラジカル塗料

今のところ(2016年12月)屋根用のラジカル塗料は日本ペイントからしか発売されていません。

◆屋根用ラジカル塗料

ニッペ パーフェクトファインベスト(上塗り材)

パーフェクトファインベストは、2液型で主剤と硬化剤に混ぜて使うタイプになっています。今後、ラジカル塗料の需要も増えていき、各塗料メーカーからも屋根用のラジカル塗料から発売されると筆者は考えています。

おすすめのラジカル塗料はアステック社の「リファイン」!

冒頭にも説明しましたが、これからラジカル塗料で塗装を行いたいという方は、是非「リファイン」を使ってみてください。日本のメーカーではなく、オーストラリアのメーカーですが、リファインには、ニッペの「パーフェクトトップ」を上回る3つの理由があります。

画像はアステック社HPより引用

①基本樹脂がシリコン(パーフェクトトップはアクリル)

日本ペイントのパーフェクトトップは、アクリルを樹脂としたラジカル塗料ですが、「リファイン」はシリコン樹脂をつかっており、塗料としての耐候性や耐久性が、リファインの方が当然上回ります。後発のSK化研の「エスケープレミアムシリコン」や関西ペイントの「アレスダイナミックTOP」もシリコン樹脂ですが、次の説明②と③の分、リファインが上回ります

②遮熱機能がついている

「リファイン」には、遮熱機能がついています。下地剤に遮熱無機顔料が含まれているために、通常のラジカル塗料にはない、遮熱機能がラジカル塗料で塗装を行えるのは大変なメリットです。

③費用がパーフェクトトップより安い

機能が上回るにも関わらず、費用がパーフェクトトップより安い。その理由は、日本ペイントは、塗装店に塗料が出回るまで、多くの仲介の店を通しますが、リファインは、アステック社と塗装店の直取引のため、費用が安くなります。

では、なぜリファインが出回ってないのでしょうか?それはアステック社は、日本のメーカーではないため、塗装店によっては使いたがらない業者もいるためです。

ラジカル塗料を使うならアステック社の施工実績が豊富な業者を

ラジカル塗料はこれから外壁や屋根の塗料のスタンダードになっていく塗料です。そしてラジカル塗料が優れた塗料であると言うのはもはや常識で、そのラジカル塗料の中でも、「リファイン」のように機能が高く安い塗料を使うべきです。

しかし、リファインのメーカーであるアステック社のラジカル塗料の施工実績が豊富な業者をわざわざ探さなくてはなりません。これは個人ではなかなか大変な作業です。

ですから一括見積サービスを使って、担当の相談員に「アステック社のリファインというラジカル塗料の経験のある業者を紹介してください!」と言って代わりに探してもらうのが一番確実かつ簡単な方法でしょう。

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