今や一般の新築では使われなくなったモルタルの外壁は1990年頃までは、外壁の主流でしたが、現在の主流はサイディングの外壁ですから、モルタル壁は新築の家の施工にはあまり使われることはありません。とはいえ、モルタル壁の外壁塗装の依頼は今でも多いのです
モルタル外壁の塗り替えの目安は、約10~15年くらいに一度の目安です。もう10年も過ぎると、壁が黒ずんだり、カビや苔が発生することが多いのです。
だからモルタル外壁塗装のポイントは徹底的に高圧洗浄で汚れやカビ・苔を落として、シリコン塗料で塗料を塗るといいでしょう。なぜなら汚れやすいモルタル壁は、汚れに強いシリコン塗料が最適だからです。
本日はモルタル外壁の塗装について、外壁塗装の親方を30年やっている私が解説いたします。
この記事の目次
そもそもモルタルの外壁って何?特徴は?
セメントと砂を混ぜると、モルタルになります。(さらに砂利をまぜるとコンクリートになります)そのモルタルを左官職人が家の壁に塗りつけます。

下記のイラストの職人さんをテレビなどで見たことはありませんか?つまり左官職人が施工しています。最近の新築は工場で製造されたサイディングボードが一般的ですから、外壁ではこんな左官職人はあまり見なくなりましたね。

モルタルは外壁材として日本住宅で広く使われていたのですが、施工が複雑な上、施工期間も長いのです。そして高コストですから、今はもうあまり使われていません。
モルタル外壁のメリット
✔耐久性、耐水性、耐火性に優れている
✔サイディングに比べて、柔軟にデザインできる
✔コーキング不要で繋ぎ目がない
モルタル外壁のデメリット
✔コストが高い
✔施工期間が長い
✔汚れやすい
✔クラック(ひび割れ)が生じやすい
モルタル外壁の仕上げの種類
モルタル外壁はデザインの柔軟性があるのが特徴ですから、いろんな仕上げ方があります。今から紹介する仕上げの種類のどれもが、町の中でみかけるデザインのはずです。それだけモルタル外壁の家は多いのです。塗装の依頼も絶え間がありません。
スタッコ仕上げ
スタッコ仕上げは、壁に装飾を施すような塗りの事で、日本語では「化粧しっくい」と言われたりもします。吹き付けて厚く塗るから立体感があって高級な印象を与える仕上げです。
凸凹の多いこの仕上げは、塗り替えの時に、塗料を吸い込みやすいのです。ですから塗料を大量に消費するのでコストもかかります。汚れが溜まりやすいから、日々のメンテナンスが大変です。
リシン仕上げ

リシン仕上げは、塗料に砂利や砂を混ぜて、吹き付けます。模様はその時の砂利や砂の大きさによって変わってきます。安く施工できるのが特徴です。だからモルタル壁としてはもっとも使われている塗装仕上げになります。
その反面、クラック(ひび割れ)を生じやすく、汚れがつきやすいので、新築ではもう使われることはありません。
吹き付けタイル壁
吹き付けタイル仕上げは、タイル材を吹き付けたものです。施工しやすくて、塗料の消費が少ないです。またクラック(ひび割れ)しやすかったのですが、弾性タイルというものがあって、クラックを防止するタイル材があります。
その他にも、「左官仕上げ」「スパニッシュ仕上げ」「コテ波仕上げ」など、デザインがいろいろあるのが、モルタル壁の特徴の一つです。
モルタル外壁の塗り替え時期はいつ?
モルタル外壁の塗り替え時期をざっくり言うと、10年~15年くらいだよ。だけど、実際に壁がどんな現象がおきたら塗り替えが必要なのかを次に紹介するよ。
モルタル外壁の塗り替えが必要な現象(時期)とは?
①変色
モルタル壁に限ったことじゃないけど、紫外線が塗膜を劣化させて変色することです。そんなに深刻ではないので、塗り替えを行えば対処できます。
②退色
日光に長い間さらされると、モルタル壁の色がだんだん薄くなってきます。ツヤがまったくなくなる状況です。このレベルも状態としては深刻ではありませんから、高圧洗浄で洗い流して、すぐに塗装すれば問題ないです。
③チョーキング
チョーキング現象とは、壁を触ったときに、手に白い粉がつくことです。外壁によくある劣化現象で、塗料の色成分の顔料が分解している現象です。防水性が失われているから、①や②より緊急性は高いですが、高圧洗浄で洗い流して、塗り替えを行えば対処できます。
④カビや苔が壁に発生
日光が当たりにくい壁に、カビや苔が生えやすいのです。モルタル壁は劣化すると水を吸収しやすくなります。そうすると湿気でカビや苔が発生します。この状態だと、塗り替え時は薬剤を使って、防カビ・苔対策をやらないと、塗り替えた後もカビは苔が生えることになります。
⑤クラック(ひび割れ)が生じる
モルタル壁はもともとクラックしやすいです。クラックとはひび割れのことで、細かい線が壁に入ることです。塗膜が劣化するとクラックが発生します。クラックは放っておくと、雨水が浸水して、ボロボロになります。このレベルになると早めの塗り替えが必要です。
⑥エフロレッセンス(白華現象)
エフロレッセンスって難しい言葉ですが、読者の皆さんもこの現象の壁を見たことがあるはずです。壁に白い粉が浮き上る現象で、まちを歩くと、この現象の壁は多いです。雨水を受けやすい場所でおきる現象です。
雨の後に、モルタル内部の水分が蒸発して外壁の表面に白い粉が出てくる現象です。この現象はすぐに塗り替えをする緊急性はありませんが、見た目がすごく悪いので、塩素系除去剤でキレイにして、ケレン道具で除去します。キレイに除去してから、塗り替えを行います。
塗膜に膨れがでている
クラックから水が浸入して塗膜が粘着力を失っている現象です。このレベルになると、単に美観を損なっているだけではなくて、漏水や腐食に進むので、一刻も早く塗り替えを行う必要があります。塗り替えの緊急度はかなり高いです。
モルタルが剥がれている
クラックから水が浸入して、モルタルと塗膜との密着性が弱くなり、塗膜が剥がれる現象のことです。塗膜がはがれて下地がでてると、家の中に水が浸入する恐れがあります。早急にケレンで、古いモルタルを除去して、補修します。
モルタル壁の爆裂
クラックから、水がモルタルに侵入して、モルタル内部の鉄筋やラスが錆びて膨張しておこる現象のことです。このレベルになると建物に大きな影響を与えますから、早急にモルタル補修工事をおこないます。モルタル樹脂で形成補修を行います。
モルタル外壁にはどんな塗料がいいの?
まず外壁塗装は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗りを行うのが基本です。
「下塗り」とは?
下塗りは、下地と塗料の間の接着剤の役割をするものです。この下塗りをちゃんと行わないと、次に行う中塗りの塗料がちゃんとくっつかないので、とても大事な工程です。
モルタル外壁には「微弾性フィラー」が良いです。小さなクラックならこの塗装で埋めてしまえますし、ゴムみたいな柔らかさがありますから、クラックしやすいモルタル外壁にはもってこいです。
「中塗り」「上塗り」とは?
中塗りと上塗りは、同じ塗料を使います。上塗りの二回塗りなんて言われたりもしますが、塗料の色や、塗料の機能(遮熱・断熱)などはこの塗料に含まれます。
一般的に塗料は何を使う?という塗料はこの工程に使う塗料のことです。
塗料は多く開発されているが、シリコン塗料で、まず問題ないです。シリコン塗料はコストが安くて、機能も高い。防汚性があり、汚れやすいモルタル壁には相性が良いです。そして耐久性も高いから、特に塗料にこだわりや考えがない人もシリコン塗料がおすすめです。
だけど、自分で使う塗料を考えたいって人は、塗料の全種類をまとめた記事がありますから、下記の記事を読んでください。
モルタル外壁の塗装手順
①足場の設置
高いところでも塗装できるように、足場を組みます。足場の組み立てだけで1日はかかります。また全費用の20%くらいは足場代にかかります。
②高圧洗浄
モルタル外壁の剥がれや、カビ、苔をキレイに洗浄します。この作業は塗装の品質に関わる重要な作業です。この作業も1日を要します。
③養生
養生は、塗料が飛び散っても大丈夫なように、塗装しない部分に保護シートをかけることのことです。保護シートをイメージするといいでしょう。
④下塗り・下地調整
塗料がしっかり密着するように下地を調整します。そして最初に下塗を行います。下塗は塗料と素地の接着剤の役目を果たします。
⑤中塗り・上塗り
最後に塗料を2度塗り、仕上げます。中塗りのあと、時期にもよりますが4時間程度、しっかり乾燥させてから、上塗りを行います。上塗りは仕上げ塗りとも言われます。
モルタル外壁の塗装の施工期間は?
最短で10日間、長くても2週間くらいが目安です。雨なんか気候条件でも変わってきますのでスケジュールは、業者とよく相談しましょう。
モルタル外壁の塗装のまとめ
モルタル外壁は、クラックしやすく汚れもたまりやすいです。ですから10年も経つとどうしても外壁が色あせてきますのいで、練り替えをしたほうが良い。モルタル外壁には塗料は安くて汚れに強いシリコン塗料で間違いありません。
そして何より、腕の良い業者を選ぶこと。一般の人が良い業者を見分けるには、外壁の一括見積りサービスを利用するといいでしょう。
必ず2社から3社から相見積もりをとることです。値段だけではなく、モルタル外壁の施工実績などをそれとなく聞いて、実績は経験、そして信頼できそうか見極めるのです。

外壁の現場を20年仕切っている。外壁塗装は詐欺が多い業界。詐欺を撲滅したい。匿名で業界の事情を暴露します。名前はペンネームです。
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