マンションの外壁塗装は8年~10年に一度のサイクルで大規模修繕にあわせて行われることが多いです。しかしマンションの外壁塗装は数百万~1千万円以上もかかり高額な工事になります。
ですから修繕工事をまかせる業者は、全行程を自社で行なえる業者であれば、安全性が高く、しかも安く工事ができるメリットがあるからです。
また、業者選定のためにも、費用感や工程を事前に理解し、業者まかせにしないで工事の概要を理解しましょう。それでは本日は外壁塗装の親方を30年やっている筆者がマンションの外壁塗装について解説いたします。
この記事の目次
マンションの大規模修繕の流れ

マンションの大規模修繕は以下のような流れで進めます。外壁塗装と言っても、足場や作業員の待機所の設置から、床面の塗装までありますから、単に外壁塗装だけというわけではありません。
①居住者説明会
②足場の設置、仮設トイレ・作業員待機所の設置
③下地・タイル補修工事
④シーリングの打ち替え
⑤高圧洗浄
⑥外壁塗装工事
⑦防水塗装工事
⑧廊下床面塗装工事
⑨足場・仮設物の撤去
特に①の住民への大規模修繕の告知は塗装業者の一級建築士などの有資格者を同行させて、しっかり行いましょう。賃貸マンションだと掲示板での告知だけでは気づかない住民も必ずおり「洗濯が干せない!」というクレームもあります。
修繕工事は1ヶ月から2ヵ月もかかりますから、掲示板に部屋番号と洗濯物が干せる日の情報を提供したり、住民には工事の進捗をマメに伝える努力が大切です。
住んでいるマンションですから大規模修繕に、心から反対するような人はいないでしょうが、工事を業者に丸投げするのではなく、連携して修繕工事をあたりましょう。
また2000㎡を超える大きなマンションの大規模修繕の場合は平成29年4月より「省エネ措置の届出」を所管の役所に提出しなくてはいけなくなりましたので、修繕に際しては、このことも念頭にいれておきましょう。
マンションの外壁塗装の費用は?
外壁塗料の費用は300万円~1000万円くらいです。費用は使う塗料と塗装面積によって金額が変わってきます。順に解説します。
単価についてはこちら → マンションの外壁塗装の単価を解説
◆塗料の種類(グレード)
・ウレタン塗料 → ひと昔前の標準塗料で防水性が高いが、費用は安め
・シリコン塗料 → 現在の標準塗料で弱点がなく費用対効果が高い(ほとんどこれです!)
・フッ素塗料 → 高級塗料で耐久性が高い
塗料はいろんな種類があります、各塗料によって耐久性や機能がまったくことなります。例えば、マンションの日当たりが良すぎる場合は遮熱塗料なども検討して、マンションの温度を下げる施工も可能です。
塗料について詳しくはこちら → 【全種類】塗料の種類の選び方と注意点|外壁塗装
◆マンションの費用相場
塗料を塗る広さと、塗料のグレードによってマンションの費用が決まってきます。
塗装面積 | ウレタン塗料 | シリコン塗料 | フッ素塗料 | |
---|---|---|---|---|
3階建て | 800㎡ | ¥2,720,000 | ¥3,280,000 | ¥4,080,000 |
4階建て | 1050㎡ | ¥3,570,000 | ¥4,305,000 | ¥5,355,000 |
5階建て | 1300㎡ | ¥4,420,000 | ¥5,330,000 | ¥6,630,000 |
6階建て | 1600㎡ | ¥5,440,000 | ¥6,560,000 | ¥8,160,000 |
7階建て | 2000㎡ | ¥6,290,000 | ¥7,585,000 | ¥9,435,000 |
※足場代や職人の工賃を含む金額です。
もし、すでに見積をとって、この価格から高すぎたり、安すぎてもおかしいです。これより高いという場合は、フッ素塗料より高級塗料の使っていることになりますが、見積書をみてください。使う塗料は大抵はシリコン塗料かウレタン塗料です。
また見積書が極端に安い場合は、アクリル塗料を使っている場合が考えられますが、アクリル塗料は耐久性が低く、メイン塗料としては現在ほとんど使われていない塗料です。もし価格で疑問や不安を感じたのなら、他の業者にも声をかけて見積をお願いしましょう。
そして当然、高額なマンションの塗装は、分割払いが基本となります。金額にもよりますが、2回払いや3回払いになります。着工金、中間金、完了金という流れで払うことになります。
塗料が変われば、臭いも違う!塗料も業者と打ち合わせよう
外壁塗装となるとシンナーの臭いも気になると思います。原因は塗料が溶剤(油性)のために臭いがキツいのです。そして溶剤は密着性が高く、耐用性も水性の塗料に比べて、高いために外壁塗装では溶剤を使います。
ただ、塗料メーカー大手も、弱溶剤の塗料を開発して臭いが少ない塗料があったりしますし、また水性なのに、シリコン塗料の溶剤以上の性能を誇るラジカル塗料という新しい塗料もあります。
いずれにしても「塗料は素人だから」といって、業者まかせにするのではなく、塗料の特性や耐久性なども調べて、業者と打ち合わせを行いましょう。そして、どの塗料を使うにしても、業者には、使う塗料の実績があることが重要です。
マンションの外壁塗装を安くするには!
管理会社にまかせないで、管理組合主導で外壁塗装を行う
管理会社に完全にまかせて塗装工事を行うと中間マージンの1割は管理会社にもってかれていますので、管理組合主導で外壁塗装を行えば、1割も塗装工事を安くすることができます。
ただ、業者と管理会社のやりとりなど管理組合主導ですので、組織がしっかりした管理組合でなければ、工事は難しいでしょう。
管理組合手動で修繕工事を行う場合は、塗装業者をどうやって探せばいいのかわからないはずです。しかも、外壁塗装は良い悪徳業者も少ない業界です。だから必ずインターネットサービスの一括見積サービスを利用して、2~3社の業者を紹介してもらいましょう。
そして、実は安く塗装を行うコツは、塗装の全行程を自社で行うことができる業者を選ぶことです。通常は足場は足場屋に依頼することになりますが、これを自社で行う業者は、費用をだいぶおさえることができます。
例えば、とある見積もりで、5社がコンペしていたときに、どこの企業も400万円でしたが、1社だけ250万円を提示し工事を受注しました。これは全行程を自社でまかなえるからこその見積なのです。そういった業者と出会うためにも一括見積サービスは業界最大手の「外壁塗装の窓口」が良いでしょう。
「外壁塗装の窓口」の一括見積サービスのフォームに入力すると、コールセンターから折り返しの電話がくるので「マンション塗装に実績があり、全工程を自社で行う業者を紹介して欲しい」といいましょう。
また全行程を自社で行なえる業者のメリットは、費用だけでなく、安全面にメリットがあります。なぜなら複数の業者がからむ塗装工事では、どうしても安全の意識にズレがしょうじますが、一つの会社だと認識にズレがないので、安全意識も高くなります。
補助金を使って、マンションの修繕を安くする!
全国の自治体には外壁塗装やリフォームに対して、補助金を用意している自治体があります。ただし、自治体の目的は省エネルギー対策です。ですから遮熱塗料や屋上の緑化工事などが対象になります。
また補助金を出している自治体は、多くはありませんが、工事前にマンションが所属する自治体に補助金があるかどうか、調べてみましょう。
詳細はこちらの記事をご覧ください。 → 外壁塗装で補助金や助成金を使って安く工事するには?
ちなみに私は遮熱塗料にはエスケー化研の「クールタイト」をよく使います。
マンションの外壁塗装はどれくらいの期間かかるの?
マンションの修繕となると、外壁塗装だけではなく、ほかの修繕もあわせてやることがほとんどです。目安としては
◆外壁塗装の期間の目安
・50戸未満は3か月程度
・50戸以上は3か月~半年間
この期間は、マンションはすっぽりとシートに隠れてしまうことになりますが、業者も心得ており、区間を区切って順番に施工していくので、洗濯ものが干せない日が連続することがないように施工します。
また施工中の臭いですが、最近の塗料は臭いを押さえたものが開発されていますが、ある程度は仕方がありません。事前に住民に説明をしっかりおこないましょう。
マンション外壁塗装の修繕時期は?
マンションの外壁塗装は10年に一度が目安です。しかし下記のような鉄部塗装は5年に一度が目安になります。
◆マンションの鉄部の例
・メーターボックス
・出入り口扉
・玄関扉枠
・雨どい
・鉄骨支柱
・ベランダ手すり
・消火栓ボックス
鉄は錆びやすいので、塗装前にケレンといわれるサビ落としで、さびを徹底的に落としてから塗装を行います。
マンションを外壁塗装する2つの必要性
それでは費用と期間を説明したので、外壁塗装の必要性についても解説いたします。
①賃貸マンションの場合は入居率に影響します!
前回の塗り替えから10年も経過すると、ところどころひび割れが目立つようになり、艶もすっかり無くなります。外観の劣化は、賃貸マンションだと入居率に影響してきます。
建物の見た目の劣化は賃貸マンションのオーナーさんにとっては死活問題です。しかし逆に見た目がキレイであれば古いマンションであっても、入居率を保つことができます。
入居者は単に、見た目で判断するというよりも、見た目を通してそのマンションの管理が行き届いているのか、いないのかを判断しているのです。
また、古いマンションの塗り替えの場合は、単色ではなく、ツートンカラーなどは、フレッシュな印象をあたえます。ただしツートンカラーの方が、使う塗料や工賃の影響で費用も少し高くなります。
②防水機能が年々低下する
塗料には防水機能がありますから、外壁や屋上に塗装することで水漏れなどを防止します。マンションはコンクリートでできています。そのコンクリート自体には、防水機能はありません。防水工事を行うのは、特に屋上とベランダです!
屋上とベランダは防水工事を行う!
マンションの屋上やベランダは風雨にさらされており、水が浸入する箇所ですから、防水工事を施します。防水工事には、以下の4種類の施工方法があります。
・ウレタン防水・・・・・低予算の防水工事。ムラができやすいから職人の腕次第
・シート防水・・・・・・シートが破損しやすいが、工期が短く安価
・FRP防水・・・・・・・低予算で耐久性にすぐれるが、施工中の匂いがきつい
・アスファルト防水・・・耐用性が高いが、高価
マンションの外壁塗装のまとめ
本日はマンションの外壁塗装について解説いたしました。マンションの外壁塗装を安く行うコツは、全行程を1社で行なえる業者を探すことです。複数の業者を使うとコストが高くなりますが、1社で行う業者は、費用が安くなります。
そして必ず2社から3社を探して比較検討してください。業者を探すには一括見積サイトを使うようにしましょう。なぜなら登録するにも審査があるので、悪徳業者が存在しません。
また一括見積サイトの会社は、業者から報酬をもらう仕組みなので、問い合わせても無料なので、使わない理由がありません。

外壁の現場を20年仕切っている。外壁塗装は詐欺が多い業界。詐欺を撲滅したい。匿名で業界の事情を暴露します。名前はペンネームです。
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