フッ素塗料のデメリットは高すぎる耐久性

フッ素塗料は外壁や屋根の塗料としては、耐久性が高い高級塗料という位置づけにあります。

耐久性が高いため、塗り替えがなかなかできない東京スカイツリーのような、特別な建物に使われる塗料であり、家庭用としてはもともと一般的な塗料ではありませんが、徐々に一般にも普及しはじめております。

「いい塗料を使いたい」
「家の美観を長く保ちたい」

という人が使いたくなる塗料です。しかし、良い塗料だからという理由で何も考えないでフッ素塗料を使うと、無駄に高いコストを支払う可能性があります。

本日は外壁塗装の親方を30年やっている私がフッ素塗料について解説していきます。

フッ素塗料の特徴

フッ素塗料をまとめると下記の5点に集約されます。

ポイント1:高い耐久性
ポイント2:汚れが付着しづらい高機能塗料
ポイント3:コストが高い
ポイント4:フッ素塗料は耐久性が高いため、外壁や屋根、付帯設備を含めた家全体の塗り替えサイクルを考えないと、無駄に高いコストが発生する。
ポイント5:フッ素塗料を一度塗ると、次回の塗料もフッ素塗料に限られる

フッ素塗料は確かに耐久性も高く、汚れに強い塗料ですが、真面目な施工店の中には「無駄に高機能ですからシリコン塗料で十分です!」と主張する施工店もあります。その背景には高すぎるフッ素塗料の耐久性がメリットにもデメリットにもなる問題が介在しているからです。

それでは、メリットデメリットを踏まえて解説いたします。

フッ素塗料のメリット

✔圧倒的に高い耐久性
✔汚れに強い、親水性が高いから雨と一緒に汚れを落とす
✔紫外線に強い
✔耐候性が高いから、風雨にさらされる屋根に使われる
✔耐熱性、耐寒性が高い
✔低摩擦性、不燃性が強い
✔光沢感がある
✔光沢が長持ちする

フッ素塗料は耐久性が一番のメリットです。ビルの塗り替えの費用は、一般住宅とは比較にならないほど、莫大なお金とコストがかかります。そしてビルのような大きい建物は、足場代だけども相当なコストがかかります。

なかなか塗装の塗り替えが難しい大きな建物には、耐久性のある塗料を選んで、長期的に塗り替えのコストを抑えることが大切になってきますので、ビルなど大きな建物にはフッ素塗料はよく使います。風雨にさらされやすいビルや大きな建物に最適です。

そしてフッ素塗料は親水性が高い塗料です。親水性とは塗料の表面に水が広がりやすい性質のことです。この機能が高いと雨降った時に付着した汚れを、水と一緒に流れ落とします。

◆親水性が高いと雨が外壁の汚れを落とす仕組み

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※日本ペイントの資料より画像引用

そして紫外線に強いですから、耐候性が求められる屋根の塗装にこそ向いています。

外壁も屋根も同じ塗料を使った場合、必ず屋根の塗料から塗料の寿命が尽きますから、外壁をシリコン塗料にして、屋根を耐久性の高いフッ素塗料を使って、外壁と屋根の塗料の寿命を同じくらいに調整すれば、家の塗り替えを一度で行えます。

屋根と外壁の塗り替えを一度で行なえば、足場代のコスト浮くので安上がりになります。

フッ素塗料のデメリット

✔一般住宅の塗料としてはコストが高い
✔建物が劣化すると、塗料にもヒビがはいることもある
✔塗膜が固く、弾力性がない
✔一度フッ素を塗ると他の塗料での塗替えが厳しい
✔シーリングに塗る場合は相性が悪い
✔また古くなると雨で黒い筋がつくことも

デメリット1:価格が高い

フッ素塗料の最大のデメリットは価格が高いことです。一般的な塗料のシリコン塗料も耐久性や機能は悪くありませんので、フッ素塗料はコストパフォーマンスが高いとはいえません。

◆フッ素塗料とシリコン塗料の価格比較表

  費用(30㎡) 耐用年数 1年あたりのコスト
フッ素塗料 110万円 15年 7.3万円
シリコン塗料 80万円 12年 6.6万円

※足場を入れた外壁塗装の総額

ですからフッ素塗料を使うことは無駄にコストを使う可能性があるのです。屋根と外壁の塗料が両方とも同じフッ素塗料を使った場合、環境がハードな屋根の方が先に塗料の寿命が尽きます。

屋根に合わせて外壁も塗り直しを行えば、まだ寿命が数年残っている外壁のフッ素塗料はまったくの無駄になるからです。

水性のフッ素塗料は価格が安い
フッ素塗料は、溶剤(油性)しかありませんでしたが、水性のフッ素塗料も開発されました。水性のフッ素塗料についてはこちらの記事でまとめました。 → 水性のフッ素樹脂塗料のメリットを解説

塗料には溶剤と水性があります。外壁塗装で使われるのは当然、プロがつかう溶剤の2液型です。2液型は主剤と硬化剤をまぜて使いますから乾燥が早いので、職人の腕が重要になります。

デメリット2:塗膜が硬い塗料

フッ素を塗ると、コーティングのようにテカテカに固まります。しかしこれがデメリットにもなり、塗膜が固いので、地震などでヒビが入りやすい点です。

また地震だけではなく、動きのある素地のコンクリートやモルタルの塗料にはフッ素塗料は向いていません。

デメリット3:次回の塗り替えもフッ素塗料になる

そして、20年後の塗り替えの際もフッ素塗料である必要があります。なぜなら、フッ素塗料は高い防汚性があるため、その性質のために、フッ素以外の塗料では密着性が悪いからです。

ですから次回の塗料もコストが高いフッ素塗料を使う必要があるため、長期的にコストがかかるのです。また過去10年間で、塗料の性能は大きく向上し、価格が安くなりました。20年の間に新たな塗料が生まれた場合、その選択肢がないということです。

デメリット4:耐久性が高いと、劣化に気づかないことも!

フッ素塗料を使ったからと言って、安心してしまい。「うちの外壁は20年は大丈夫!」と思いこんでしまうことです。フッ素塗料だからと言っても、塗る業者の腕や、家の環境によっても耐用年数は変わってきます。

フッ素塗料を使ったことで、塗料の劣化に気づかない可能性があるからです。このあたりは健康に自信がある人が病気に気づかないことに似ています。

フッ素塗料の注意点

フッ素塗料の注意点は、その高すぎる耐久性のためにおこる問題です。

例えば、屋根も外壁も同じフッ素塗料を使った場合に、15年後に屋根の方が先に塗料の耐久性がなくなります

そうすると屋根を塗り替えをフッ素で行いますが、外壁の塗料はまだ5年はもつとしても、お客さんの心理として

「どうせ足場代や人件費もかかるから、外壁も屋根と一緒に塗装してしまおう!」ということになります。

つまりコストの高いフッ素塗料の無駄遣いです。

フッ素塗料のまとめ

今日はフッ素塗料について解説しました。デメリットを中心に解説しまいたが、やはり耐久性はピカイチですから、屋根や予算に余裕がある方はフッ素塗料を使っても良いと思います。

また、フッ素塗料は高い塗料ですから、塗装失敗しないためにも必ず実績のある業者にお願いしましょう。

フッ素で塗装したい方は、一括見積サービスに相談して「フッ素塗料の施工実績のある業者を紹介してください」っていえば、フッ素塗装の実績のある会社を紹介してくれます。

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