弾性塗料でひび割れを防ぐ|メリット・デメリット、工法、メーカー

弾性塗料は、ひび割れ(クラック)に対して有効な塗料で、主にモルタル壁など動きがある素地に対してひび割れ防止のために使われます。なぜなら下地がひび割れを起こした場合でも、塗料が伸びることで、つられて塗膜にひびを発生させない「伸びる塗料」だからです。

だたし、弾性塗料は”膨れ”を発生したり、施工の工数がかかったりとデメリットもあります。本日は外壁塗装の親方を30年やっている私が弾性塗料について解説いたします。

弾性塗料と一般塗料の違いは?

弾性塗料という観点でみると塗料には3種類にわかれます。この観点で見ると一般塗料は「硬質塗料」に属します。

①硬質塗料・・・一般塗料の事です。
②微弾性塗料・・硬質塗料と弾性塗料の中間の塗料。伸び率が50%~100%の塗料。
③弾性塗料・・・伸び率120%以上の塗料。

弾性塗料も一般塗料と同じように、

・アクリル塗料
・ウレタン塗料
・シリコン塗料
・フッ素塗料

等の種類があります。(塗料の種類はこちらから→【全種類】塗料の種類の選び方と注意点|外壁塗装

外壁塗装では2液型の、主剤と硬化剤をまぜる油性塗料が一般的ですが、塗料は硬化剤を混ぜることで、弾性機能をもたすことができるものがあります。

硬化剤というと「硬くなるのもでしょう?」と思われがちですが、硬化剤には弾性機能を持つものがあり、それをまぜることで弾性塗料になるのです。

それでは弾性塗料のメリット・デメリットがありますので、解説いたします。

弾性塗料のメリット

✔ひび割れを防ぐ
✔水漏れれを防ぐ防水効果

弾性塗料は力を加えると伸縮する性質があるため、コンクリートやモルタル壁など、ひび割れしやすい外壁に重宝されます。

弾性塗料は伸びる塗料であるため、ひび割れを防ぎ、侵入する水を防ぐため防水機能に優れています。そして、シリコンやフッ素など、グレードにあわせた塗料があります。

弾性塗料のデメリット

✔”膨れ”が発生する
✔サイディングには使えない
✔塗料を多く使う※複層弾性の場合

弾性塗料はいいことばかりではありません。水がどこから侵入すると、水を通さない性質がアダとなり、水が入ると塗膜に”膨れ”が発生します。

またサイディングボードは熱にあたると、まるで夏場の車のように熱を持つため、激しく伸縮します。伸縮すると塗膜と素地の間に空気が入り込み、空気の逃げ場がないため膨れが発生するのです。

ですからサイディングボードに弾性塗料を塗るのは絶対にダメなんです。

後に説明しますが、複層弾性で塗装を行うと、一般塗装の2倍の量の塗料を使うため、単価が高くなります。

弾性塗料の工法は3種類

弾性塗料を使うといっても様々な工法で、弾性を塗膜に持たすことができます。代表的な弾性塗料の工法は以下の3つです。

工法①複層弾性塗料

下記図をご覧ください。

複層弾性塗料

工程1:下塗り(シーラー)
工程2:中塗り(弾性塗料)
工程3:中塗り(弾性塗料)
工程4:上塗り(一般塗料のシリコンやフッ素塗料)
工程5:上塗り(一般塗料のシリコンやフッ素塗料)

上記の図のように、5工程あります。もっとも弾力性を強くする工法ですが、工数がかかります。材料費、工数ともに多く使うため費用が高くなります。

 

工法②単層弾性塗料

下記図をご覧ください

 

 

工程1:下塗り(シーラー)
工程2:上塗り1回目(弾性塗料)
工程3:上塗り2回目(弾性塗料)

上記の図のように、3工程になります。弾性塗料を2回塗って厚みをつけて、弾力性を出します。複層弾性塗料工法よりも、防水性が弱いですが、工程が少ないです。

工法③微弾性塗料+上塗

下記図をご覧ください

 

工程1:下塗り(微弾性フィラー)
工程2:上塗り(一般塗料)
工程3:上塗り(一般塗料)

下塗りに「微弾性フィラー」という厚みがある塗料を使うことで弾力性をつける工法です。フィラーより密着性が落ちます。

各メーカーの弾性塗料

大手塗料メーカーから出ている弾性塗料を紹介します。

日本ペイント

DANシリコンセラ

1液反応効果形塗料の塗膜が厚く防水効果が高いです。最高級の単層弾性塗料になります。

関西ペイント

シリコンテックス

多機能水性アクリル樹脂系弾性塗料です。浸透性が高いため、水を排除しますから、防藻性や防カビ性が高いです。速乾性の塗料で作業性も高いのが魅力です。

SK化研

セラミクリーン

高耐久・低汚染型水性セラミックシリコン単層弾性塗材。ゴム状で厚みがつけられますから、防水性が高い水性塗料です。

アステックペイント

EC-2000F

伸縮率600%で、耐久年数が高い!オーストラリアのメーカー。防水性や耐久性に加えて遮熱効果もあります。アステックペイントで一番人気のある塗料。ただし日本の職人には、日本製ではないことから敬遠する人もいます。

弾性塗料のまとめ!結局は職人の腕が大事

本日は弾性塗料についてまとめてみました。このように弾性塗料といっても、いろんな工法があったり、塗料も多くでています。

しかし、一番重要なのは、職人の腕になります。外壁の状態を見極め、どの工法、どの塗料がいいのかを、見極めて、施工いたします。

いい職人を探すには、一括見積サービスを使って、3社程度から話を聞くのがいいでしょう。見積をだすための、査定の際は

「うちの外壁にはどういった塗料を使うのですか?」
「その塗料の施工経験はありますか?」

とさりげなく聞いてみましょう。話を聞けば3社で一番経験のある業者がわかるからです。

外壁の現場を20年仕切っている。外壁塗装は詐欺が多い業界。詐欺を撲滅したい。匿名で業界の事情を暴露します。名前はペンネームです。